FC2ブログ
--/--/-- (--) スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |


2012/11/14 (Wed) 『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』感想

こんにちは。みるとです。
今回は、オーカムさんに勧められて読んだラノベ『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の感想を書いてみようと思います。

『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』は、アニメ化もしたGOSICKシリーズを書いた桜庭一樹さんの初期作品らしいです。
GOSICKは観てないけど、話を聞くかぎりでは微妙な感じですね……。


さて、この砂糖菓子、結論から言わせてもらうとすごく面白かったです。
どのくらい面白かったかと言うと、読み終わった後に眠くもないのにベッドに倒れ込み、泥のように眠ってしまうくらい。
具体的には、通販で小説と漫画版を即注文してしまうくらいです。
点数をつけるとしたら90点はつけられるのではないかと。
今まで小説をあまり読んでこなかった(唐辺作品除く)僕ですが、生意気にも小説も良いものだなとか思いました。


ざっとあらすじを。

主人公は山田なぎさ、田舎の港町に住む中学二年生。実生活の役に立つもの(実弾)だけを求めて、それ以外には目を向けないように生きている女の子。
そんな彼女が通うクラスに、ある日転入生の海野藻屑(うみのもくず)がやってくる。
藻屑の自己紹介。
「ぼくは……ぼくはですね……人魚なんです」
そんなマーメイド系少女藻屑と、リアリスト主人公なぎさの物語。


ごめんなさいあらすじ適当です……。
とにかく、面白いので読んでみてほしいです。
小説は第一章、第二章、終章、の三章構成。ページ数も200ページとかなり少なく、活字が苦手な僕でもほぼ一日で読みきることができました。
漫画版は上下巻の二冊。原作の雰囲気を壊すことなく、読みやすくなっています。
特にひしゃげに嫌悪感の無い人はぜひ。







以下感想(ネタバレ含む)


この本(角川文庫版)の最後には内容についての解説が載っていて、この作品の伝えたいことのようなものが詳しく書いてあります。
それを読めばなるほどぉってなると思うので、ここでは僕がなんとなく感じたことをなんとなく書きたいと思います。
なので、感想というよりは妄想みたいになってしまうかもしれませんが、お許しください。


「十月四日早朝、鳥取県境港市蜷山の中腹で海野藻屑のバラバラ遺体が発見された」
そんな新聞記事で幕を開けるこの作品。
1ページめくって第一章、主人公・山田なぎさのクラスに海野藻屑が転校生としてやってくるところから物語ははじまり、さらに読み進めると、この話が十月四日早朝に蜷山を登るなぎさの回想であることがわかってきます。
つまり、はじめからエンディングが知らされている。
僕たち読者は、結末を知った状態でこの物語を読むことになり、なぎさが藻屑と過ごす一ヶ月を経て、藻屑の死を追体験することになります。


起承転結で言うところの「結」をあえて冒頭に持ってくるというこの構成。
解説にはこれについて「ほぼ完璧な『悲劇』のプロット」とありますが、なるほどです。(解説読んでくらさい)
しかしですね、個人的に思うこともありました。
新聞記事の内容は、たしかに海野藻屑の結末。僕たちがこの本を開いたときから決められていた、なぎさにも変えることのできなかった運命です。
ただ、あくまで主人公は山田なぎさ。
それならば、二人の物語のエンディングは別のところにあるのではないかと思いました。
最初の新聞記事、時系列的には終章の途中に入ることになると思うんですが、その直前の一文。

 いつまでこれを飲んでものどの渇きはおさまらない気がして、あたしはミネラルウォーターのペットボトルから唇を離しながら、ああ、これが海野藻屑の正体だったのだと思った。

これです。
渇いた現実に、実弾を持つことさえ許されず、つくりものの砂糖菓子の弾丸を撃ち続けていた海野藻屑。
藻屑がいつも飲んでいたミネラルウォーターを飲みながら、なぎさはこの時はじめて、藻屑を理解できたのかもしれません。
僕はこの一文こそが、藻屑との日々、物語の終着点なんだと思います。


『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』という作品は、二人の物語を内包したなぎさ自身の物語です。
藻屑と過ごした日々を通じて、なぎさは知ります。子供はみんな、へっぽこな武器で戦う兵士であることを。この世は生き残りゲームであることを。
そして最後の一文。

 砂糖でできた弾丸では子供は世界と戦えない。あたしの魂は、それを知っている。

砂糖菓子の弾丸。世の中にはなんの力も実体もない空想的弾丸。
そんな藻屑に誰よりも撃ちぬかれていたのは、実弾だけを求めていたはずのなぎさでした。
けれど、その弾丸は跡形もなく消えてしまった。
不幸を支えとして生きてきた彼女が「藻屑の死」という弾痕を胸に刻み、自分の足で歩きはじめる。
だからこそ、この作品はこんなにも悲しく、こんなにも力強く、美しいのではないか。
そんなことを感じています。


きっと、誰もがなぎさで、誰もが藻屑で。
僕の魂は砂糖菓子の弾丸に撃ちぬかれたようです。
穴がぽっかりとあいていますが、そこにはなにもありません。


milt | comment(2) |


<<ベストミルト2012 | TOP | アスセカ感想とアニメ雑感>>

comment











管理人のみ閲覧OK


 

すげえ気に入ってくれてよかったよ!
僕もそのうち感想書きます。
みるねの感想も待ってる。

2012/11/15 02:52 | oakum [ 編集 ]


管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2015/04/28 16:19 | [ 編集 ]


| TOP |

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。