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2011/11/20 (Sun) さくらむすび(CUFFS/2005)

「桜の樹の下には、死体が埋まっている。それは、正しいことなんだよ」
――桜結び――


さくらむすび




主人公・桐山圭吾は、両親の顔を知らず、唯一の肉親である妹・桜とも別々の家で育てられたため、将来は自分の力で桜を守ってふたりで生きていくと心に誓っていた。
しかし実際に卒業を目前にして、具体的な今後の進路について悩むと共に、桜とふたりで生きる以外の道もある事に気付いていく。
さらに両親も関係した過去の因縁、そして今もなお自分達を縛ろうとする「化け物」の存在を知り、それと向き合う事を余儀なくされていく。
(Wikiより)


【シナリオ】10/10
シナリオライターはトノイケダイスケさん。
光と影の調和。
優しさと不気味さが混在しているような、不思議な感覚に包まれます。
たしかに「空白」があるシナリオではありますが、その「空白」を物足りないと思うか、作品の一部として受け入れるかで評価が変わってくるのではないかと思います(詳しくは後述)。
ただ、大きな盛り上がりや急展開などはほとんどないので、そういう話を求めている人にはお勧めできません。
桜ルートにのみエンディングが2つあります。
好きなシナリオは桜ルート(エンド2)、紅葉ルート、可憐ルート。
一つ一つの何気ない場面にまで魅力を感じてしまうような、表現力豊かな文章。
そして繊細な心理描写。
その象徴とも言えるのがあの散髪シーンです。

【キャラ】7/10
キャラの役割という意味ではほぼ完璧で、キャラも魅力的です。
ただ桜がなあ……。
どうしても受け入れられない自分がいます。
好きなキャラは秋野紅葉、瀬良可憐。

【グラフィック】10/10
原画は☆画野朗さん。
優しいタッチの絵がとても良いですね。
キャラもみんなかわいいです。
まあ、若干のロリ感は否めませんが。

【音楽】9/10
上のOP動画を見ればわかると思いますが、このゲームには主題歌というものがありません。
さらにED曲やボイスもありません。
それでも自分が最高評価を付けたのは、ピアノによるOP、ED、BGMがそれを気にさせないくらい素晴らしかったから。
歌やボイスがないのは文章に集中させるためなのか、と思ってしまうほどです。
OPの「さくら」。大好きです。

【雰囲気】10/10

【総合☆】92.5点


自分の攻略順は、桜エンド1→桜エンド2→可憐→紅葉でした。
推奨攻略順としては桜エンド2を最後に持って来てほしい気もするのですが、話を掴むために桜エンド1は最初にやってほしい、でもエンディングが違うだけで基本的なシナリオは同じだから桜エンド2だけを最後にすると桜ルートはほとんど既読スキップになるから……。
などといろいろ考えた結果、桜エンド1→桜エンド2→可憐→紅葉で。
結局自分と同じですね。
総プレイ時間は30時間ほど。


さて、【シナリオ】の項目で「空白」という言葉を使いましたが、これについて説明したいと思います。
この「空白」は「主人公の死角」とも言い換えることができます。
「物語の中で主人公が見ることのできない、知ることのできない物事」のことです。
それは文体が一人称(主人公視点の文章)である限り、プレイヤーにとっての死角、つまり物語で語られない「空白」の部分でもあります。
エロゲやギャルゲの文体は、その多くが一人称です。
(例外を挙げるなら「カタハネ」や「群青の空を越えて」のような群像劇形式か、「Phantom」や「殺戮のジャンゴ」のような三人称神視点ですね。虚淵さんの作品は基本的にそうなのかな?)
ということは、他の多くの作品にもこの「空白」は存在するはずなのです。
でも普通はそんなことあまり意識しませんよね。
ライターも自らの描けない場面をわざわざ重要っぽく示唆することはしません。
この作品ではその「空白」を巧く利用し、重要性を与えることで、敢えてプレイヤーに意識させているのだと思います。
決して説明不足なわけでも、ましてや未完成なわけでもありません。
「空白」を埋めるピースは随所に散りばめられています。
ただ、それをどのようにして埋めるかがプレイヤーに委ねられているだけなのです。

またこの作品は、梶井基次郎の短編小説「桜の樹の下には」がモチーフであろうとされています。
「桜の樹の下には」は「主人公は桜のあまりの美しさに堪えられないが、『桜の樹の下には死体が埋まっている』という負(死)のイメージを想像し、美しさに対する劣等感を打ち消すことでようやく落ち着いて桜を見ることができる」という話(多分)。
この主人公にとって、桜の美しさは死体の想像を重ね合わせて初めて顕在化するものです。
「桜の樹の下には、死体が埋まっている」
「さくらむすび」でも使われているこの一文。
「さくらむすび」における「死体」とは何を表しているのでしょうか。
それこそが「空白」です。
「さくらむすび」の美しさは、プレイヤーがそれを想像することによってより引き出されるのかもしれません。

milt | comment(0) |


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