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2013/01/23 (Wed) 雑記

0. はじめに

 僕はエロゲを選ぶとき、シナリオライターが誰かということを重要視しています。ライター選びは数多くの作品の中から、自分の感性に合ったものをプレイするための効率的な方法の一つなのではないかなと思うのです。
 皆さんにも好きなシナリオライターや小説家はいると思いますが、そんな僕にも「この人の作品なら」と思えるライターさんが何人かいます。瀬戸口廉也さんがその一人ですが、他にも、王雀孫さん・早狩武志さん・トノイケダイスケさんなどがおります。
 そんな中で、七烏未奏さんについて書いてみたいと思いました。
 七烏未さんの関わった代表作には、StarTRain・絶対幸せ宣言っ!・Nega0・魔界天使ジブリール4・すきま桜とうその都会などがあります。(ジブリール以外はプレイ済み)
 特に今回はStarTRain・絶対幸せ宣言っ!・Nega0の三作を中心に、時系列順?に話を進めていきたいと思います。ストーリー上のネタバレは極力避けたつもりですが、作中の台詞を引用していたりと怪しい部分はけっこうあります。
 それでもよろしければ、暇なときにでも読んでみてください。


1. StarTRain(mixed up/2006)



 はーど純愛ADV。公式によるとこの「はーど」は暴力的な内容や行為を指すものではなくて、“簡単ではない”と言った意味合いが込められているらしいです。なるほどたしかに。
 僕にとって最初の七烏未作品はStarTRainでした。3年前くらいのことです。
 プレイした理由は絵の雰囲気に惹かれて。やすゆきさんの絵は素晴らしいですよね。きっすみの人でもあります。あとは『ふたつめ、みっつめがある。だから初恋なんだ』という意味深なキャッチコピーに釣られて。
 あらすじは「主人公が初恋の先輩と付き合うんだけど、本当は先輩は別の人が好きで二人は別れることに。初恋の終わりから始まる物語」という感じ。正直細かいところはあんまり覚えてないです。
 ただ、すごく印象に残っているのは「なんだこの主人公は……」ということ。
 当時はまだプレイ本数自体少なくて色々な主人公に触れていないということもありましたが、とにかくうざったかった。なんだこいつは。どうしてこいつはこんなにウジウジしているのかと。そして一人称“オレ”。当時の僕は画面の前で舌打ちが止まらなかったことでしょう。
 だけど今になって考えてみると、そんな主人公だからこそ感情移入がしやすかったのかなとも思ったり。
 他にプレイした作品の中で嫌いな主人公を挙げるとすればWA2の春希、まじこいの直江大和、辻堂さんのヒロシなど。みんな“嫌い”の一言だけど、強いて言うなら春希は“真面目すぎ”。大和は“小賢しすぎ”。ヒロシは“優しすぎ”。そんな理由で気持ちがよろしくない。
 そして、このStarTRainの主人公・司。彼を“~すぎ”と表すならそれはたぶん“クズすぎ”。
 公式の設定でも『運動神経は並。成績は悪い。軽音楽部に所属しているが、楽器は上手く扱えない。放任主義な家庭の一人っ子。両親は共働き。仕事が忙しい事を理由に滅多に帰ってこない父親と、いつも夜遅くにならないと帰ってこない母親。本人は、そんな両親にただ呆れている』と、こんな感じ。どうしたもんか。
 ただ、この“クズすぎ”というのは言い換えると“人間すぎ”ということでもあります。
 もちろん人によって「人間らしさ」というのは違うとは思います。その言葉を使う時、おそらくそれと照らし合わせて考えるのは自分自身のことではないですか? だから自身に対する考え方によっては、司くんにはそれを感じないかもしれません。
 しかし、僕にとっては人間らしさの塊のような主人公でした。思い返せばという話ですが。
 というかこいつも司か。僕の好きな作品には司(つかさ)という名前の主人公が多い気がします。スワソン、かにしの、家族計画。
 とまれ、そんな主人公が、恋を通して幸せとかを語ったり語られたりする青春ストーリーです。
「幸せ」。これがキーワードと知るのはまた別のお話――。
 そう、“青臭い”んです。これが七烏未作品に対して一番よく言われている意見だと思います。
 少し脱線しますが「中二病」という言葉があります。ウィキによれば『中学二年生頃の思春期の少年少女にありがちな自意識過剰やコンプレックスから発する一部の言動傾向を揶揄した俗語』だそうです。反社会的な行為を格好いいと思い込んでいるDQN系、他人と違う自分は格好いいと思い込んでいるサブカル系、自分には隠された力があると思い込んでいる邪気眼系と分類されるのだそうな。
 どこに分類されるのかはわかりませんが、七烏未作品の“青臭さ”の正体もきっとそういうことだと思うんです。絶対幸せ宣言っ!の冬子シナリオでは、この「中二病」についても言及されています。
 主人公の司、そしてヒロインたち。いや、むしろ七烏未作品の登場人物全員でしょうか。彼らは、幸せとか恋とか青春とか。そんなことに対して、まるでそれらがこの世の全てかのように本気で“悩んでいる”。
 これこそ『思春期の少年少女にありがちな自意識過剰やコンプレックス』なのではないですか? これを「中二病」と呼ばずして何としようか。
「中二病でも恋がしたい!」
 それが、僕の中のStarTRainです。



2. 絶対幸せ宣言っ!(eighthnote/2007)

 これに関しては、以前にもレビューを載せているので簡潔に書きたいと思います。
 すーぱーぽじてぃぶADV。プレイしたのは去年の夏ですね。まだまだ記憶に新しいです。
 タイトルに惹かれたというのがきっかけ。もしかしたらStarTRainの記憶が心のどこかでうごめいていたというのもあったかもしれない。なかったかもしれない。ちなみにキャッチコピーは『この世界を、絶対幸せにしてみせますっ!』。
 もうタイトルから初球ド真ん中ストレートで「幸せ」というテーマを投げ込んでくるお話。絶好球でした。
 とは言っても世間での評判が微妙だったこともあって、正直内容にはそこまで期待はしてなかったのです。
 それが、レビューの評価を見てもらえば分かる通り、かなりのお気に入り作品となってしまったわけで。
 僕としては他の七烏未作品をプレイせずにはいられなかったのです。



3. Nega0(ETERNAL/2009)



 ガールズデバッグADV。Nega0は去年の師走にプレイしました。最近ですね。
 OPムービーを観るとなんだこりゃって感じですが、内容はしっかりとここまでの系譜を受け継いでおります。
 あらすじは「ネガティブ思考なヒロイン・れいこのもとに未来からパソコン(の中にいる女の子)がやって来た。彼女いわく、信じれば魔法が使える世界になってしまったとのこと。魔法は世界に矛盾を生み、このままでは世界がフリーズしてしまう。それを防ぐには、魔法を使える魔法少女たちを倒すしかない。『だかられーこさん、あなたの夢を信じない心が必要なんです。不条理を修正するデバッガーとなって、このピンチを救ってください!』。ネガティブ少女の正義のスパナが、ファンタジーを現実へと引き戻す。さよなら、ご都合主義(ハッピーエンド)」という感じ。わけがわからないよ。
 キャッチコピーは『さよなら、ご都合主義(ハッピーエンド)』。こうして見ると三作品ともキャッチコピーが良いですね。
 さて、話を進めます。
 七烏未作品共通のテーマとなっている「幸せ」。
 その中でも、StarTRainは恋愛を前面に押し出した作品でした。
 一方、絶対幸せ宣言っ!は「幸せ」一本でゴリ押してくるような作品のため、多少説教臭さが強いです。むしろそれが売りです。
 そしてNega0は、前の二作をバランス良く混ぜ合わせてコトコト煮込み、独自の味付けを施したような、ある意味総括のような作品だと思っています。
 Nega0の世界では、誰もが魔法というご都合主義によって、自分の「幸せ」を実現させることができます。
 だけど世界はそれが許されるようにはできていないんです。それはどの世界でも同じことで。

『例えば、他の幸福を不幸とする人間がいたらどうなる? その時点で全体の幸福なんて不可能だ』
(神田秋代/絶対幸せ宣言っ!)


 そんな世界だからこそ、皆のご都合主義な「幸せ」を、メインヒロイン自らがぶっ壊していく。
「幸せは自分の力で掴むもの」なんていうのは正しくも虚しい言葉で。
 そんなこと言ってもどうにもならないことだってあるし、変えられないことだってある。
 じゃあどうしますか? 死にますか? そういうわけにはいかないんです。
 家族計画の青葉さんも言ってます。生きることは問答無用なのだと。
 そして、だからこそ――。

『――自分を好きになりましょうよ、先輩』
(元木司/StarTRain)


 これはStarTRainのプロローグ、司が先輩と別れるシーンで、自分のことが大嫌いだという先輩に向けて言った言葉です。

『人に嫌われることに怯えてても、幸せは掴めないと思うんです。……ねぇ、先輩。臆病が嫌なら、頑張ればいいだけなんです。自分の気持ちに嘘をつくのが嫌なら、正直になればいいだけなんです。……オレは、先輩に正直に生きて欲しいですから』
(元木司/StarTRain)


 と、続きます。
 そしてNega0。

『私は、私の意志で、もっと都合良く生きなきゃダメ。悪いことがあったらもっと楽しいこと、どうしても悲しいことがあったら、あまり見ないようにすること。それはきっと、魔法でも神頼みでも、なんでもなくって。――ね、そういうことだよね?』
(守沢いちよ/Nega0)


 そうなんです。結局のところ、七烏未さんの言いたいことは最初からなにも変わっていないのかなと思います。
 こんなどうしようもない世界だけれど、もう少しだけ自分を好きになろう。そうすれば、もう少しだけ戦える気がする。

『私は、地球の為とか、平和のためとか……負けないためとか。そんな、信じていいものかわからないもののために戦ってるんじゃないの。私は――私の、信念のために戦ってるのよ。都合の良い世界をつくりだして、そういうものを期待してでも――。私は、自分のために戦ってるの! やらなきゃ気持ち悪いから、やってるだけだもん』
(夢埜れいこ/Nega0)





4. おわりに

 ここまで読んでくれた人はいったいどれくらいいるのでしょうか。備忘録兼ストレス発散のために書き始めたとはいえ、一人もいなかったらちょっと寂しかったり。
 気が付けば文字数的にもだいぶ長く、時間的にもほぼ丸一日が経過しております。
 今回紹介しました七烏未奏さんの作品、決してどんな人にも自信を持っておすすめできるといった類のものではありません。
 すでになんとなく気付いているかもしれませんが、非常に青臭くて説教臭くてポエマー臭い文章です。正直、ストーリー自体の面白さを求めてプレイするのはやめておいたほうがいいかなと思います。物語ではないですね。
 ただ、僕のような万年思春期人間にはクリティカルヒットでした。

『大人になると、色んな情報とか感情がごちゃ混ぜになって、正しいものがわからなくなっちゃうから。本当に“幸せ”がわかるのは、子供の時、もしくは、自分の心の中にいる子供を感じた時だけ』
(鈴/すきま桜とうその都会)


 小さい頃は、自分のことだけを考えていたように思います。
 だけどいつのまにか、周りの目を気にするようになって、周りと自分を比べるようになって。
 そんな自分が嫌になって、考えて、悩んで。
 こういうのを「思春期」とか「中二病」とか呼ぶのなら、僕はいつになったら大人になれるのでしょうか。

『生きてる限り何度でも、このトンネルに迷い込むことはあって。でも私は何度でも、そこから抜け出さないと、いけないから。だから、私は――』
(白雪冬子/絶対幸せ宣言っ!)



 と、言うわけで以上です。長々と失礼しました。
「幸せ」「青春」「思春期」。こんなワードに反応する人がいましたら、三作品の内のどれか一つでもプレイしてみてはいかがでしょうか。
 しあわせについてほんきだしてかんがえてみたら~

milt | comment(7) |


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色々と考えさせられました。感動。
この中でどれかやれって言われたら絶対幸せ宣言っ!かな。
一番ぐっときた台詞は鈴のやつ。

2013/01/23 04:37 | oakum [ 編集 ]


 

『――自分を好きになりましょうよ、先輩』
この台詞聞いて、何か引っかかってたんだけど、思い出したから追記しておく。

第二文芸部のBreathe Breezで
――ボクが「ボク」を好きであげなくちゃ誰のことも愛せないよ
ってフレーズがあるんだよ。感動。

2013/01/23 06:11 | oakum [ 編集 ]


 

レビューはすごく良いんだけど
信者共のコメが気持ち悪いんだが

2013/01/23 12:48 | わくお [ 編集 ]


 

>おーかむさん
いきなり絶対幸せ宣言とは攻めますね。
時間できたらぜひやってみてほしいです。他の人がどう感じるか気になる。
Breathe Breezちょっと聴いたけど良かった。

>わくおさん
お、ありがとう!
七烏未信者レベル高いんか……。

2013/01/23 15:33 | milt [ 編集 ]


 

七鳥未さん信者ではなく
milt信者がキチーわ

2013/01/23 18:37 | わくお [ 編集 ]


 

そんな君にネギまから名言をあげよう。

エヴァ曰く「幸福な輩に語るべき物語などない不幸と苦悩こそが人に魂を宿す」トルストイ辺りが元ネタって自分で言ってるけど

千雨曰く「ふっ切れた悟ったなんてのは大抵勘違い、デカイ悩みならふっ切るな。胸に抱えて進め」

まぁ大人や子供なんてのは社会的な区分のための言葉でして人間そんな簡単に変わるもんじゃないと思いますよ。
言葉遊びに騙されず本質を考えようとする、そんなみっさんがイイと思います。

2013/01/23 20:43 | キャス [ 編集 ]


 

>わくおさん
そっちかw
ご迷惑おかけしました……。

>キャスおさん
ネギまよりもキャスバル語録が胸に響いた。
「まぁ大人や子供なんてのは社会的な区分のための言葉でして人間そんな簡単に変わるもんじゃないと思いますよ。」か……。感動。

2013/01/24 03:35 | milt [ 編集 ]


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